BRAHMANブラフマンの曲で最も売れた曲と言われている SEE OFFの和訳について紹介をします。
「SEE OFF」は英語で「見送る」「別れの場に立ち会う」という意味。
この曲では、旅立つ者と、それを見送る者の関係が描かれていて、死・別れ・喪失といった感情が込められています。
なお甲子園の曲としても使われているようですね。
アメトークでも紹介されていました。
【起源(2001年)】
茨城県・日立第一高校が『SEE OFF』を応援曲として使用したのが最初とされる。
きっかけは、当時のチアガール部の女子生徒がBRAHMANのファンだったこと。
歌詞の「to the end」が「甲子園」に聞こえたことからインスピレーションを受け、応援曲として採用された。
【拡大(2001〜2003年)】
その日立一高と対戦した常総学院がこの応援曲に感動し、自校でも取り入れる。
2003年、常総学院が夏の甲子園で優勝したことで、『SEE OFF』は一気に全国へ広がった。
【社会的注目(2015年以降)】
2015年のアメトーーク「高校野球大好き芸人」で、応援曲として第2位にランクイン。
2017年の同番組でも8位にランクインし、定番応援曲としての地位を確立した。
作詞者は、TOSHI-LOWです。
SEE OFFの和訳・意味とテーマ
【曲のテーマと解釈】
「SEE OFF」は ブラフマンの曲の中でも特に冷たく、鋭く、そして静かに怒っている曲だ。
テーマを一言で言うなら――
“無関心の社会が生み出す、声なき者の断末魔”。
誰かが苦しんでいても、誰も目を向けない。
泣き叫ぶ声はノイズとしてかき消され、真実は歪められ、世界は淡々と終わりへ向かっていく。
その冷たさを、英語詞の乾いたタッチで描ききっている。
1.「Going to write down the sun with your dried up cheek」
泣き尽くして乾いた頬に“沈む太陽を書きつける”。
まるで感情が枯れた人間が、終わりの光景をただ記録しているかのような描写。
涙も出ないほどの絶望がそこにある。
2.「You who gone far away from me」
“遠くへ行ってしまったあなた”。
これは個人的な喪失のようでもあり、同時に、
「置き去りにされた弱者」そのものを象徴する言葉にも読める。
近くにいたはずの誰かが、静かに消えていく世界。
3.「I don’t give a shit and I’ll see your back」
「クソどうでもいい、背中を見送る」。
他人の苦しみに対して完全に無関心な態度を、これ以上ないほど露骨に突きつける一文。
見送るでもなく、助けるでもなく――
ただ背中を見て終わる。
その冷たさは、現代の“傍観文化”を思わせる。
4.「The eyes with no sight」「The ears with no sound」
“見えない目”“聞こえない耳”。
これは能力の欠如ではなく、
「見ようとしない」「聞こうとしない」ことの比喩。
情報が溢れているのに、真実だけが無視される社会。
心を閉ざした群衆の姿が浮かぶフレーズ。
5.「I tried my best”, the worst thing in life」
「精一杯やった、という言葉が人生で最悪のもの」。
努力を免罪符にしてしまう人間への皮肉。
“やったつもり”で終わることが、誰かを救えなかった最大の罪だと突きつけている。
6.「Human existence surpass dignity… What the fuck」
人間の存在が尊厳を越え、もはや価値を失ってしまった世界。
その状況に対する怒りと嘆きが、荒々しい語気で吐き捨てられている。
「人間であることの意味」が崩れていく――
曲全体がそんな危機感で満ちている。
まとめ
「SEE OFF」は、ただ悲しい曲でも、ただ怒りの曲でもない。
“見て見ぬふりをする社会”への静かなレクイエムだ。
乾いた言葉の一つひとつが、無関心が生む暴力を指し示している。
聴き終わったあとに残る重さこそ、この曲が放つメッセージの深さだといえます。
SEE OFFの印象的な和訳
冷たい社会について皮肉った歌詞が印象的です。
Without a clue of what happened to you who wail
泣き叫ぶお前に何があったのか、見当もつかない
I don’t give a shit and I’ll see your back
俺はどうでもいいし、ただお前の背中を見送るだけ
【まとめ】
この曲は、社会の中で誰かが壊れていくのに、誰もそれを見ようとしないこと。
残された声は届かず、空虚の中で終わっていく。
真実は歪められ、ノイズだけが響いている。
その現実に対する怒り、虚しさ、冷たさを、叫びではなく冷静に語ることで深く刺さる構成になっています。


