「Life goes on」は発売当時から大きな話題を呼んだ一曲です。
Fun Factoryの「I Wanna Be With U」にサビが似すぎていると指摘され、一時“パクリ疑惑”で炎上しましたが、正しくは引き出しとして使っております。
この曲はDragon Ashにとって重要な転換点であり、Steady&Co.での活動を経ておよそ1年2ヶ月ぶりにリリースされたシングルでもあります。
J-PHONE(のちのVodafone、現ソフトバンク)の「写メール」CMソングとして広く認知され、1999年の「Grateful Days」以来となるオリコン1位を獲得。累計80万枚という大ヒットを記録し、グループの代表曲として確かな地位を築きました。
初回盤ではホログラム仕様のジャケットに、同じイラストのステッカーが封入されるなど、当時の“特別感”もファンの間で語り草になっています。
そんな賛否も含めて注目を浴びた「Life goes on」ですが、歌詞を紐解くと、ただのヒット曲にとどまらない“人生へのまなざし”がしっかり刻まれています。
ここからは、この曲がどんなテーマを持ち、どんなメッセージを伝えようとしているのかを深掘りしていきます。
作詞は降谷建志(KJ)です。
ストリーミングで聴くにはこちら
Life goes onの意味やテーマ
「Life goes on」は、困難や迷いを抱えながらも“自分の流れを止めずに生きていく”姿を描いた曲です。
はっきりしているのは、ただの前向きソングではないということ。
現実のしんどさも、心の揺れも、人生の非情さも全部受け止めたうえで、それでも前に進むしかない——そんなリアリティがあるのが大きな特徴です。
● 自分の流れ(flow)は誰にも止められない
冒頭の
“No one’s gonna stop my flow”
ここが曲全体の大黒柱です。
誰かに評価されなくても、環境ばかり変わっても、焦りがあっても、人生の流れは止めさせない。
これは自己肯定というより、“覚悟に近い前向きさ”といえます。
「Life goes on」は、“逆境込みで人生”という視点に立っているのが魅力です。
● 多様な生き方を認めるメッセージ
“Many minds, so many lives”
人生にはいろんな価値観、いろんな歩み方がある。
それを比較する必要はなく、誰もが自分のペースで進んでいけばいい。
この曲の優しさは、
「生き方に正解はない」
という許容の視点です。
誰かと競争するより、今の自分の流れを信じていく。
そういう静かな強さが曲を通してにじんでいます。
●「長い道のり」を知っているからこそのリアリズム
歌詞には何度も “It’s a so long way ahead” が出てきます。
未来は遠くて、道のりは長くて、簡単じゃない。
それを分かったうえで、
「だからこそ歩き続ける」
という現実的な前向きさを示しているのが印象的です。
この“甘くない前向きさ”が、この曲の説得力につながっています。
● 日常の景色が心を映し出す
風、雨、夕焼け、明け方、西の空、虹…。
自然の描写が多いのは、移り変わる心を重ねているからです。
・晴れる日は前を向ける
・風が強い日は落ち着かない
・雨の日は沈む
・夕暮れは切なさを呼ぶ
人生は季節と同じように移ろい続ける。
そんな“心の天気予報”のような世界観が、曲に深みを与えています。
● 他者へのリスペクトと自分自身の独立
“But nobody can do it like you”
誰かと関わることで世界は広がる。でも、依存するわけではない。
この距離感がとても現代的です。
「一人でも進む、でも仲間がいればもっと広がる」
そんな軽やかな生き方が、この曲の根っこにあります。
● 傷は消えなくても、前に進める
最後に繰り返される
“If we can’t erase the scars…”
この部分は特に象徴的です。
傷は癒えないかもしれないし、時には背負ったまま歩くしかない。
でも、それでも人生は続くし、前へ進む理由はちゃんと残っている。
「完璧な再生」ではなく
「傷を抱えながら進む強さ」
これがこの曲の大きなテーマです。
【まとめ】
「Life goes on」は、
“悩みや傷ごと抱えて、それでも自分の流れを止めずに生きていく”
というメッセージを持つ作品です。
・生き方に正解はない
・道のりは長くても前へ進める
・心は揺れて当たり前
・誰の人生もそれぞれのリズムで動いている
そんな視点が、ストレートな言葉と情景描写を通して描かれています。

