RadioheadのHigh and Dryの和訳を紹介します。
アルバムthe bendsに収録された曲で、アコースティックな演奏が中心の楽曲です。
Creep以降はトム・ヨークの歌詞も割と変わっているように思えます。
High and Dryの和訳
Two jumps in a week, I bet you think that’s pretty clever, don’t you, boy
一週間に二回のジャンプ、君はそれをすごく賢いと思ってるんだろう?
Flying on your motorcycle, watching all the ground beneath you drop
バイクで空を舞い、地面が遠ざかるのを見下ろしながら
You’d kill yourself for recognition, kill yourself to never, ever stop
認められるために命を捨て、決して止まらないために命を捨てる
You broke another mirror, you’re turning into something you are not
また鏡を割り、君は本当の自分ではない何かになっていく
Don’t leave me high, don’t leave me dry
僕を置いて行かないで、高いところに
僕を見捨てないで、乾ききったまま
Drying up in conversation, you will be the one who cannot talk
会話の中で枯れ果て、君は話せなくなる
All your insides fall to pieces, you just sit there wishing you could still make love
心はバラバラになり、ただそこに座って愛し合えたらと願うだけ
They’re the ones who’ll hate you when you think you’ve got the world all sussed out
世界を理解したつもりの君を憎むのは、まさに彼らだ
They’re the ones who’ll spit at you, you will be the one screaming out
君に唾を吐くのも彼ら、そして叫ぶのは君自身
Don’t leave me high, don’t leave me dry
僕を置いて行かないで、高いところに
僕を見捨てないで、乾ききったまま
Oh, it’s the best thing that you’ve ever had
それは君が今まで持っていた最高のもの
The best thing that you’ve ever, ever had
君がこれまで持っていた最高のものなんだ
It’s the best thing that you’ve ever had
それは君の人生で最高のもの
The best thing you’ve had has gone away
でも、その最高のものはもう消えてしまった
So don’t leave me high, don’t leave me dry
だから僕を置いて行かないで、高いところに
僕を見捨てないで、乾ききったまま
Don’t leave me high, don’t leave me high
僕を置いて行かないで、高いところに
僕を置いて行かないで、高いところに
Don’t leave me dry
僕を見捨てないで、乾ききったまま
High and Dryのテーマや解釈
テーマとしては虚栄心、成功と孤独、自己破壊、喪失感**が中心になっています。
解釈
曲は、ある人物(”boy”と呼ばれる誰か)が成功や注目を求めて必死になり、自分を犠牲にしてでも止まらずに突き進んでいる様子を描いています。しかし、その結果として自分を見失い、周囲の人々からも見放されるという皮肉な状況が示されています。
冒頭の部分(Two jumps in a week…)
「一週間に二回のジャンプ」は、危険を冒してまで注目を浴びようとする行為の象徴と考えられます。バイクで空を飛ぶイメージは、成功やスリルを求める姿勢のメタファーかもしれません。しかし、それは一時的なもので、地に足がついていない状態を暗示しています。
「You’d kill yourself for recognition」(認められるために命を捨てる)
ここでは、成功や名声を得るために自己を犠牲にする姿勢が描かれています。何かを達成するために極端な手段を取ることの危険性を示唆していると考えられます。
「You broke another mirror」(また鏡を割った)
鏡を割ることは不吉の象徴であり、自己破壊的な行動やアイデンティティの崩壊を意味している可能性があります。「You’re turning into something you are not」(君は本当の自分ではない何かになっていく)というフレーズが続くことで、自分を見失っている様子が強調されています。
「Don’t leave me high, don’t leave me dry」(僕を置いて行かないで)
この繰り返しは、見捨てられることへの不安を表現しています。”High and dry” という英語の慣用句は、「見放される」「孤立する」という意味を持ち、何かに依存していた関係が崩れ、自分が置き去りにされることへの悲しみが込められていると考えられます。
「Drying up in conversation…」(会話の中で枯れ果て)
ここでは、成功を手に入れた後に孤独になり、かつての魅力やエネルギーを失ってしまった人物の姿が描かれています。全てが崩れ去り、かつて楽しめたことすらもできなくなってしまったという喪失感が滲んでいます。
「Oh, it’s the best thing that you’ve ever had…」(それは君が今まで持っていた最高のもの)
これは、かつて手にしていたものがすでに消え去ってしまったことを嘆く部分です。成功や愛、友情などの大切なものを失ってしまい、後悔している様子が伝わってきます。
テーマ
虚栄心と成功の代償
成功や注目を求めて突き進むあまり、本当の自分を見失い、周囲からも孤立してしまう様子が描かれています。
自己破壊と喪失
自分を犠牲にして何かを手に入れようとするものの、結局はすべてを失ってしまうという皮肉な展開がテーマの一つとなっています。
人間関係の崩壊
かつて近くにいた人から見放され、孤独になっていくプロセスが描かれています。「Don’t leave me high, don’t leave me dry」は、関係が壊れることへの切実な願いにも聞こえます。
まとめ
この曲は、成功を求めるあまり自滅していく人間の姿を描きながら、喪失感や孤独をテーマにした切ないバラードです。表面的には成功を収めたように見えるものの、最終的には大切なものを失い、孤立してしまうというメッセージが込められています。
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