RadioheadのHigh and Dryの和訳を紹介します。
アルバムthe bendsに収録された曲で、アコースティックな演奏が中心の楽曲です。
Creep以降はトム・ヨークの歌詞も割と変わっているように思えます。
作詞はトム・ヨークです。
High and Dryの和訳・テーマや解釈
テーマとしては虚栄心、成功と孤独、自己破壊、喪失感**が中心になっています。
解釈
曲は、ある人物(”boy”と呼ばれる誰か)が成功や注目を求めて必死になり、自分を犠牲にしてでも止まらずに突き進んでいる様子を描いています。しかし、その結果として自分を見失い、周囲の人々からも見放されるという皮肉な状況が示されています。
冒頭の部分(Two jumps in a week…)
「一週間に二回のジャンプ」は、危険を冒してまで注目を浴びようとする行為の象徴と考えられます。バイクで空を飛ぶイメージは、成功やスリルを求める姿勢のメタファーかもしれません。しかし、それは一時的なもので、地に足がついていない状態を暗示しています。
「You’d kill yourself for recognition」(認められるために命を捨てる)
ここでは、成功や名声を得るために自己を犠牲にする姿勢が描かれています。何かを達成するために極端な手段を取ることの危険性を示唆していると考えられます。
「You broke another mirror」(また鏡を割った)
鏡を割ることは不吉の象徴であり、自己破壊的な行動やアイデンティティの崩壊を意味している可能性があります。「You’re turning into something you are not」(君は本当の自分ではない何かになっていく)というフレーズが続くことで、自分を見失っている様子が強調されています。
「Don’t leave me high, don’t leave me dry」(僕を置いて行かないで)
この繰り返しは、見捨てられることへの不安を表現しています。”High and dry” という英語の慣用句は、「見放される」「孤立する」という意味を持ち、何かに依存していた関係が崩れ、自分が置き去りにされることへの悲しみが込められていると考えられます。
「Drying up in conversation…」(会話の中で枯れ果て)
ここでは、成功を手に入れた後に孤独になり、かつての魅力やエネルギーを失ってしまった人物の姿が描かれています。全てが崩れ去り、かつて楽しめたことすらもできなくなってしまったという喪失感が滲んでいます。
「Oh, it’s the best thing that you’ve ever had…」(それは君が今まで持っていた最高のもの)
これは、かつて手にしていたものがすでに消え去ってしまったことを嘆く部分です。成功や愛、友情などの大切なものを失ってしまい、後悔している様子が伝わってきます。
テーマ
虚栄心と成功の代償
成功や注目を求めて突き進むあまり、本当の自分を見失い、周囲からも孤立してしまう様子が描かれています。
自己破壊と喪失
自分を犠牲にして何かを手に入れようとするものの、結局はすべてを失ってしまうという皮肉な展開がテーマの一つとなっています。
人間関係の崩壊
かつて近くにいた人から見放され、孤独になっていくプロセスが描かれています。「Don’t leave me high, don’t leave me dry」は、関係が壊れることへの切実な願いにも聞こえます。
High and Dryの和訳
見捨てられ不安があるように思えるトム・ヨークの内面をうつしだしています。
Don’t leave me high, don’t leave me high
僕を置いて行かないで、高いところに
Don’t leave me dry
僕を見捨てないで、乾ききったまま
まとめ
この曲は、成功を求めるあまり自滅していく人間の姿を描きながら、喪失感や孤独をテーマにした切ないバラードです。表面的には成功を収めたように見えるものの、最終的には大切なものを失い、孤立してしまうというメッセージが込められています。